【リアタイヤを太くする決断までの経緯】
205サイズのタイヤから225サイズのタイヤ4本通しにして以来、サーキットのタイムは自己ベスト更新しまくりでした。
しかし、ここのところ、サーキットでいくら頑張ってもタイムが伸びない。
ストレートからの進入でリアがやたらと飛び出す。
フロントのグリップが上がりすぎてか?
フロント荷重が今まで以上に乗り続ける。
その影響でリアの荷重が抜けてる時間が長くなる。
荷重抜けて滑りやすいリアを荷重移動による車体のモーションを押さえ込むと細いタイヤの時とタイムが変わらない。
そんな状況が続いてるので少しでも沈み込み量を抑えてみようとフロントのサスペンションを2Kg固くしたものの、それでも改善されず。
単純に自分自身のサーキットでのスピードレンジが上がってるから仕方ない。
タイム出ないしケツ出やすいからドリフト練習して試行錯誤。。
初めてのFR車なのでいろいろ経験したいと走り込んでます。
あと、これはサーキット走行始めた頃からの愛車の弱点だけど、
ヘアピンの立ち上がりでアクセル踏めない課題。
リアのトラクションがかかりにくいクルマなのでヘアピンだけでなくコーナリングでの立ち上がりでアクセル踏むとすぐにオーバーステアになる。
- 進入でのオーバーステア
- 立ち上がりでのオーバーステア
この2つの課題を改善できないものか?
これらをずっと悩んでいたので踏み切った。
そんな感じでリアタイヤを太くすることにしました。
しかし、個人的にはFRでリアタイヤ太くする理由が理解できてなかったので考えたこと、経験したことを書き残しておきます。
以下、
目次
FRでリアタイヤを太くする理由
昔からFRってなんでリアタイヤ太いの履いてるのかな?
と疑問に思っていた。
かっこよく見えるからかな?くらいしか理由は考えられなかった。
なので
4本とも同じサイズのタイヤで太いタイヤに勝つ!
なんて感じの無知な野望を抱いておりました。
でも
頑張っても無理でした。
FR車がリアタイヤを太くする理由
今ならハッキリとその理由がわかる。
あくまでもパワーアップしたFR車での事情となります。
うちの180sxもブーストアップしてからこの悩みが始まったので。
300馬力以上のFR車はリアタイヤ太くしたほうがよさそうです。(車重と出力のバランスで)
では、
ハイパワーFRがリアタイヤを太くする理由
その第一の理由が
コーナリングの立ち上がりで少しでも早くアクセルオンするため。
これがひとつだと思う。
前後同じサイズのタイヤでもそこそこ早く走れる。
でも立ち上がりでアクセルオン
すぐにケツ滑る。
それから
そこそこ速く走れるようになると、よりコーナリングのアプローチがシビアになる。
立ち上がり重視でコーナー進入時に車体を滑らせて向きを変える、キャンバー立ててブレーキングで勝つなどあらゆる努力はした。
そんだけ練習して頑張ってもダメだった。
リアタイヤ太いFR車に対して進入と立ち上がりで負ける。
旋回そのものが負けてる。
サーキットでは
コーナリング時における
- 進入時にタイヤ太いクルマに離される。
- 旋回時もじりじり離される
- 立ち上がりで太いタイヤのクルマに離される。
パワーアップしてるのに全くそのパワー使えない場所がある。
パワー控えめのNAのFR車(リアタイヤ太い)にもかなり離される。
タイヤが重要過ぎるのです。
サーキット走行会などで出会うクルマ。
タイヤそのもののグリップはみな似たようなものです。
なので太さと外径による接地面積の拡大がメリットあるんです。
結局、タイヤの接地面積を大きくすることで、アクセルオンによる後方への荷重移動を大きい面積に載せれる方がメリットが大きいということ。
とりあえず外径をそんなに変更することはないので太さですね。
コーナーの進入、旋回、立ち上がりでリアタイヤの太さはタイムアップに繋がる。
立ち上がりで細いタイヤで頑張って、リアに荷重を大きくかけたところで接地面積が少ないと運動エネルギーによる増大したリア荷重を受け止めきれない。
キャパ不足なんです。
自分なんかより遥かに経験豊富で速いタイムの方々からこう言われます。
「細いタイヤはキャパシティが不足する」
と、
いつもサーキットでアドバイスを受けてた意味がやっとわかってきた。
限界付近までサーキットを攻めないとわからないことだけど、荷重移動が上達すればするほどタイヤは前後とも太いほうがありがたいと感じる。
物理に詳しい人はこういう
細いタイヤも太いタイヤも軸にかかる重量による摩擦力は同じだと言います。
しかし、
停止している時や法定速度での走行ならいざしらず、スポーツドライビングでは接地面積が重要です。
スポーツドライビングには意図的な荷重移動が四六時中変化しながらそれぞれのタイヤへのしかかる。
荷重が乗ったり抜けたりする4つの車輪をコントロールするのにキャパシティ不足は泣き所になる。
1本でコレ以上の荷重は耐えれません~
なんて細いタイヤが泣き出してグリップ失うんです。
特にFRの場合は減速したあとの加速に向かうアクションで荷重が車体後方外側へ向かう。
車体の重量配分による路面へのタイヤ押し付け力ではなく、
速度 × 車重 × 意図した荷重移動の操作方向角度 × G
みたいな
これに時間と熱による変数とか関係する。
物理とかまったく無知なので数式は掛けませんが、
停止時の各車軸重量なんて比べ物にならない荷重がタイヤ4本それぞれにのっかかる。
なのでで大きな力学的なエネルギーがタイヤ1本にのしかかります。
その力学エネルギーを受け止めきれる接地面積(キャパシティ)が不足するとタイヤはグリップを失い滑り出します。
滑る=意図した走行ラインら外れる。
滑る=パワーの路面伝達のロス
なのでコーナリング時のタイヤキャパ不足はタイムロスに直結するわけです。
車両の重量や出力、そしてドライバーのコントロールに対して十分なキャパシティがあるタイヤを履くことで1コーナーごとにコンマ数秒タイムが変わる。
コーナー10個で1秒以上変わることもある。
そういうものなのです。
じゃあ、前後ともめいっぱい太くするといいのか?
これ、めちゃ悩んでいた。
前後太くするにはボディのワイド化や車体剛性を著しく強化する必要があり、出力やそれに見合ったギアも再調整しないといけない。
そんな金無い!
でも前後同じサイズで太いタイヤ履くのが最強なんじゃないか?
とずっと悩んでました。
しかし、
FRは前後タイヤサイズのバランスが重要
フロントタイヤが太ければFFのように強烈な突っ込みも可能になるが、FRは後輪駆動ゆえの前後の太さのバランスも重要。
これは身をもって体験したことです。
ずっと前後同サイズでのサーキット走行経験によって感じたことです。
多少ワイドトレッド化やオフセットの調整もしましたが、ずっと同じサイズで走り続けて思ったことです。
普段乗りなら前後同サイズでローテーションできるほうがいいし、リアタイヤがフロントと同じく細いままのほうが乗り心地はいい場合が多い。
しかし、
ことサーキットでタイムを出そうと思えば
前後同サイズだとスピンの限界が低い。
これ、最近感じる重大な課題です。
ずっと4輪通しの同じサイズで走り続けて思ったことです。
コーナー進入時のリアブレイク
コーナー進入時に出る過度なオーバーステア。
これはまぎれもなく、
タイヤキャパシティの前後バランスが悪いから出る症状。
他にもボディ特性やサスペンション等の理由はあるけどタイヤサイズのバランスも大きいと思います。
だって、リアタイヤ太いクルマってあんまりスピンしないもん。
僕はやたらとスピンしたのでそう思うわけです。
攻めれば攻めるほどスピンしてしまいます。
コーナリングの例
ストレートからフルブレーキングで強烈な荷重がかかり、フロントが沈み込む。
フロントは荷重乗ってタイヤのグリップが高い状態だから操作しやすい。
フロントではイン側からアウト側へスムーズに荷重が移動できる。
そこからステアリング操作やアクセルを開けていく動きに持っていきたいが、フロントへ荷重が乗りすぎてリアタイヤの荷重が抜けすぎる。
そのため、せっかくハイグリップタイヤ履いてるにもかかわらずステアリング操作を遅らせるしか無い場合や、より大きく減速せざるを得ないなどタイムへ悪影響が出る。。
旋回は開始してるのにリアタイヤへの荷重が戻りにくい状態が出やすい。
この状況は非常にスピンモードに入りやすい。
前後同サイズで同グリップだとこういう症状がやたらと起こる。
スピン回避のためドリフトも練習した
普段、ドリフト練習ではサイドブレーキ一切使わずフットブレーキのみでこの症状を確認してます。同じスピンモード付近の荷重状態がタイムアタックではもっと頻繁に現れる(本気で走ってるので)。
タイムアタック時に出るスピンモード対策のためのドリフト練習だからわかることです。
前後同サイズだとブレーキングで(アクセルオフでも)スピンしやすい。
無論、サスペンションのセッティングや前後の車高の調整でこの症状も押さえ込んでみたものの、基本的な特性は変わらないです。
ただ、ドリフトやってみて思ったけど、
リアタイヤの空気圧上げたり、リアタイヤにグリップを低いタイヤ履かせたりするとドリフトしやすい。
ドリフト(初期の滑り出し)がしやすい = スピンモードに入れやすい
ということなので
リアタイヤのグリップ性能を上げることでスピンしにくくなる。
FFのほうがもっとスピンしやすい
これはどちらかというとフロントヘビーなFF車のほうが顕著に出やすい挙動でもあります。
純正サスペンションではそれほどでもないですが、リアにストロークの短い車高調などを装着するとスピンしやすい。
FFはフロントタイヤのグリップ上げすぎるとリアが強烈に浮き上がりコマのようにスピンする。
リアタイヤがすぐにインリフトして車体後方がタイヤ一本しか接地できないとか。。
荷重をしっかりかけるようFFドライバーはスピンモードを使ってコーナリングでグイグイ曲げていくすごいシビックとか見かけます。
目の前で追っかけてるとFFのリア荷重抜けは本当にクイックで鋭いです。
FRはまだマシなほう。
スピンモードがFFと比べてゆるく感じます。
唐突ではないという感じですかね。マシな感じです。
マシとはいえ、
FRでもスポーツ走行においてはキッチリフロントへ荷重かければかけるほどリアがブレイクする。
このブレークしすぎるのを抑えるために、フロントのグリップ力はリアに比べてややキャパシティを落とす。
グリップ性能を落とすのではなく、フロントのキャパシティ(許容レベル)を落とす。
逆に言うとリアのキャパシティを少し上げてやる。
スタビリティなんて言い方もありますね。
このスタビリティを上げる。
その結果、高速からのハードブレーキング進入時やコーナリング旋回時、立ち上がり時にスピンではなくアンダー傾向になり結果的にコントロールしやすいことになる。
要は、4輪車はフロント荷重が上がれば上がるほどオーバーステア傾向になる。
どんな駆動方式でも一緒。
スピードレンジが高いときとかフロントのグリップ力が高すぎると進入時にスピンしやすくなる。
こういう状態は扱いにくい。
この扱いにくさを抑えることでコントロール性をアップしてタイムを短縮できる。
FRの場合はリアタイヤ多少浮き気味になっても左右とも接地はしてるからタイヤ太くしたらOKじゃね?
(FRってインリフトしないですよね?構造の影響ですかね?プロペラシャフトとアーム、ボディの接合など)
と感じる次第です。
そういう経験からイメージ。
単純にリアタイヤを太くして接地面積を拡大することにより、
- わずかながらリアの摩擦力があがる
- リアの接地面積拡大によって4輪の荷重バランスが適正化
面積拡大による摩擦力が増えることで路面への動力伝達がプラスになりやすい。
同時にアクセルのオンオフによるリアへの荷重移動がより扱いやすいけ状態になる。
(太いタイヤで接地面積がしっかりととれるキャンバーセッティングも重要)
なので、
フロントタイヤのグリップ力に対して、リアタイヤのグリップ力が1割~2割ほど高いくらいが4輪のグリップバランスがいいのでは?
そんな感じだと思ったのです。
うちの180sxではフロントを225サイズ、リアを245サイズで同銘柄のタイヤなんかを履かせるとバランスがいい。
FFのようにプッシングアンダーやアクセルオフによるタックインが使えるようなバランスにするとタイムを出しやすいはず。
今までは
- アクセルオフでオーバーステア
- ブレーキ踏んでオーバーステア
- アクセルオンでオーバーステア
- 旋回中のアクセルオフでもオーバーステア
こういう状態だったのがリアタイヤを太くしてアンダー強めのセッティングにしていくと少しましになる。
せめてタックインぽい動き(アクセルオフでカウンターあてずに4輪とも滑らせて向きかえる)くらいは使いやすい仕様じゃないとセントラルサーキットのインフィールド区間とか鈴鹿ツインGコースの1コーナー立ち上がりなんかは苦しすぎる。
サーキットには意図的にアンダー出したいところがいっぱいあります。
ずっと4輪通しサイズで行こうと思ってたけど
いろいろ研究して、グリップやらドリフトやら走り込んで練習して、
結局行き着いたのはFRにとっては常識の形状。
FRはリアタイヤを太くするとタイムが出る
「タイムが出やすい」ではなく「タイムが出る」です。
旋回時の荷重バランスが取りやすいんです。
つまり、FRはフロントよりリアタイヤを太くしてセッティングすると速いのだ。
間違いない。
リアと同じかフロントのほうが太いとFRはスピンモード付近のコントロールがナーバスになりすぎる。
身をもって経験した。
そりゃあ、ワイドボディにして
「そんなの関係ねえ!」
というレベルの極太ハイグリップタイヤを4輪とも履かせればまた違うのかもしれませんが、結局4輪とも同じ太さ(接地面積)だとスピンに悩まされるのかもです。
ということで、パワーに見合う太さのリアタイヤを装着することでタイムアップが見込めます。
なので前後異サイズタイヤを装着することに
前後違うサイズのタイヤを履かせるため、新たなホイールを準備した。
全てはさらなるタイムアップのため。
あと1秒だけ、セントラルサーキットと鈴鹿ツインでタイム短縮したい。
けっこうハードな目標ですがリアタイヤを太くすることにしました。
そのためには前後違うホイールが必要
FR車で速く走らせたいなら必須のりあタイヤを太くする作戦にチャレンジです。
ただ単に太くしてはダメです。
外径が小さくなりすぎると縦の接地面積が減って意味ないから。
外径が大きくなると加速悪くなるし。
そのあたりを考慮してタイヤサイズを選びました。
中古のCE28Nを購入
タイヤはR1Rで前後揃えた。
まだ届いてないけど
フロント 225/45R17
リア 245/40R17
外径が純正ホイールと誤差少ないサイズで統一。
なので単純にリアタイヤが太くなることでタイムが縮まるか?をテストできる。
少なくとも今までは前後4本とも205サイズからスタートして、現在は前後225サイズで走ってる。
ノーマルボディサイズで収まるタイヤを装着するのが自分のレギュレーションなので、フロント225リア245が今のところ無難な選択です。
購入したホイールはCE28N
フロント 7.5J インセット+33
リア 8.5J インセット +40
かなり引っ込みタイヤになるけど、車検対応レベルの引っ込みで太いタイヤを履かすとなるとこのあたりで試すしか無かった。
これでフロント225、リア245サイズのタイヤをスクエアで装着できる。
まだR1Rが届いてないので、ホイールについてたナンカンのNS-2R(215/45R17)を着けたままです。
8.5Jインセット40に215タイヤを引っ張るとこんな感じ。
恐ろしいほどの引っ込みタイヤであり、かつフェンダーとタイヤの間スカスカ。。
245/40R17を履かせればノーマルフェンダーには余裕で収まる。
どちらかというとサスペンションやボディ内側との干渉が気になるかも。
215/45R17のナンカンNS-2R
高速走ると五月蝿いのでこれはドリフト練習用に保管することにする。
細いし。。
CE28N 10SPOKEというモデル。
あんまり好きなデザインじゃないけど、軽量なのでこれにした。
フロント運転手席がわのフィッティング
フロント助手席側のフィッティング
なぜか助手席だけキャンバー大きめで運転手側はキャンバー立ってしまってる。
こないだ車高調のバネ交換DIYしてから組み付けが悪いみたい。
とりあえずめちゃまっすぐ走るので放置。
今まで205サイズを8Jに履かせたり、225サイズを7Jに履かせたりしたけど、幅の狭いホイールに太いタイヤ履かせても接地面積がうまく稼げない。引張のほうがまだマシだけど、やはりタイヤの性能使い切るにはスクエアでタイヤ履かせるほうがいいのではないかと思ってあえて大人しめのホイールを選んだ。
できるだけ安くタイムアップに繋げたい。
それだけが自分の目標です。
ある程度の目標タイムに到達したら街乗り仕様の快適ドライブ仕様に戻す。
そういう予定でクルマづくりを楽しんでおります。
とりあえず次のレース付き走行会は9月。
タイヤはコレで行くので冷却も強化したいが。。