走行距離が10万km超の中古車を好んで買い続けるオーナーです(笑)
年式も10年落ち20年落ちと走行距離だけでなく車を構成する各部のパーツの消耗や劣化も気になる車両に乗り続けています。
そんな古い車、距離の進んだ中古車に乗ってると、よくいく整備工場やお世話になってるチューニングショップで「そろそろエンジンのオーバーホールしたほうがええんちゃう?」と言われることが多々あります。整備屋さんはこれで稼ぐ店もあるのでそれっぽい車両を持ち込むとOHを勧められがちです。
さて、高額な工賃が発生するエンジンOH
本当にエンジンのオーバーホールって必要なのでしょうか?
エンジンのオーバーホールとは
エンジンのオーバーホールというのは、エンジンを構成する部品を新品に交換し、組み上げ、新たにセッティングするという一連の作業です。
一般的にはエンジンが不調を起こした際に行う修理作業の一環として行われたりします。
また、チューニングカーの世界では中古車のエンジンリフレッシュを兼ねて、エンジンオーバーホールの際に、ピストン、コンロッド、メタル、子メタル、カムシャフト、バルブ、バルブスプリング、ラッシュアジャスター、ヘッドカバーパッキン、ヘッドガスケットなど強化品に交換することもあります。エンジンブロックそのものの研磨やボアアップなどを行う場合もあります。
一般的にはバルブについたカーボンの除去や新品交換、コンロッド、ピストンヘッド、ピストンリングなど摩耗や不要物の付着が多い部品の新品交換を目的としたオーバーホール作業を行うことが多いようです。
オーバーホールの工賃
エンジンオーバーホールの料金は
パーツ代 + 作業工賃
これらの合計となるのですが、見積もりを依頼すると、軽自動車から小型車くらいまでの車両で普及車の場合でも30万円~という見積もりになることが多いようです。
個人的に過去にエンジンオーバーホールの見積もりは3回行っています。
ミラジーノEF-DETエンジンを専門店でOH見積もりしたところ37万円でした。
180sxでエンジンオーバーホールを見積もりに出した際、60万円強の見積もりでした。
これはブーストアップによるハイパワー化に合わせて強化パーツ(ヘッドガスケット、ラッシュアジャスターなど)を新規購入するパーツ代と現車設定のECU(燃料調整)などの作業代金を含んでいるのでやや高額になっているようです。
以前行ったGC8インプレッサSTIでは横浜のスバルテクニカインターナショナルへエンジンを送ってそこでのオーバーホール作業となり子メタル交換および各パーツのすり合わせ作業などで合計80万円超の工賃となりました。これは保証期間内の新車保証で修理してもらったので無償でしたが、中古車買ってエンジン不調となるとかなりの出費に涙することもあるでしょう。
スポーツカーではオーバーホール工賃は高くなりがちです。
オーバーホールで得られるパワー
オーバーホールは本来チューニングのようなパワーアップを目的として行う作業ではありません。
劣化したパーツや損傷部を新品に入れ替えることで新車時に近いエンジン性能を取り戻すことが目的となる作業です。
実際に中古車などを購入して走行距離15万kmくらいでオーバーホールを行うと、体感的にえらいパワーアップしたように感じるものです。
なので、この経験から見る限り、中古車の10万km走行車の場合、調子よく動いており、何の不満もなくても、新車時に体感できるようなしっかりとした低速トルク(圧縮)や高回転時の伸び(混合気の適正な燃焼)が多少なりとも劣化しているようです。
エンジン内部は金属同士が触れ合うため各部品の摩耗や歪曲などが進行することで新車当初に持っていた爆発力を維持できていないエンジンも存在するようです。
ただし、個人的にはOH後のエンジンパワーを100とすれば、3年落ち4万kmのエンジンで97くらいと感じるので、15万km走行10年落ちのエンジンは95くらいの印象です。
思ったほど大きな変化は得られない。
なので、10万km走っていようが調子のいいエンジン、程度良くオイル交換しメンテされているエンジンならOHは不要な印象もあります。
OHは不要?
ここからは個人的な考えになりますが、インプレッサのGC8のエンジンンEJ20をオーバーホールしてもらったときには、とんでもないパワーアップを感じました。
しかし、それも一瞬の出来事で、思い返せば、メタルを損傷させる前もそれくらい暴力的なパワーが出ており、OH後にそれに戻ったか、やや瞬発力が上がったかな?程度の変化を感じました。
走行距離10万kmの180sxでエンジンオーバーホールを推奨するチューニングショップの社長にOHを勧められ見積もりを取りましたが、これでセントラルのタイムどれくらいアップするか?と問われれば、エンジンはアクセルの付きがよくなるので操縦次第でタイムは0.5秒程度は向上すると思えるが、そもそも車体剛性が低いので現状でもトラクション不足。
タイムを狙うならエンジン治すよりロールケージ入れて、がっちりサポート入れて、GTウイングつけてトラクション稼ぐほうが簡単に2秒縮ませることが出来る。
そんな感じの会話でエンジンOHは優先順位が後回しとなり先送りとなりました。(金額も高額なので)
街乗りで使うだけならOHなんて費用がモッタイナイだけでしょう。
その見積もりの際にお店の社長に言われたセリフです。
おっしゃるとおり、普段乗りならOHなんて不要です。
0.1秒を争うサーキットのタイムを求める際のひとつの手段としてエンジンオーバーホールを勧められましたが、普通に乗る分には何ら問題のない絶好調エンジンです。
普段でも低回転で静かに巡航しています。現車合わせの燃調が非常に良いセッティングをされてるので現時点でも340馬力トルク47kgほど出ているSR20DETです。ノーマルのランエボよりもずいぶん早いです(直線だけですがw)。コレ以上のパワーを受け止めることが出来ない現状のボディ剛性です。
なので、走行距離158,000km
新車登録から28年経過したエンジン(ボディはまだ21年)
そんな車体ですが、エンジンオーバーホールは現時点では不要かなと、感じます。
以上の個人的経験から思うのは
エンジンOHするなら
- どうしてもこの車じゃなきゃダメ
- よほどその車両を愛していて長く乗りたい場合
- パワーアップでサーキットタイムを縮めれる状態
- 金銭的にも余裕がある
こういう場合はOHついでに強化品入れてパワーアップすればいいのではないかと思います。
一方、OH目的が、新車コンディションに近づけたいとか、であればあまり効果は見込めないので辞めておいたほうが賢明かなと思います。特に中古車で10万km超で購入した車両ならそんな作業に工賃払うより、車体の買取価格にオーバーホール工賃ぶん(50万円はかかる)を足してよりコンディションの良い好みの中古車を買うほうがノントラブルで心地よい新たなカーライフを迎えられるのではないかな?と思います。
ミラジーノのエンジンOHの際は工賃37万円がきつくて、結局エンジン壊れたまま(熱でエンジンブロック歪んだ状態)で買取業者さんに買い取ってもらいました。
どこの業者もエンジン壊れた車両なんて買いたがらないで、廃車手続きに別途費用が必要などと言われてましたが、最終的には3社競合で5万円の買取額となりました。
エンジンOHを検討している方へ
個人的な結論としては
エンジンOHなんて不要
買い替えたほうが得に決まってる!
となります。
よほど強い理由がない限り、エンジンOHを必要とする車両を維持するのはしんどいことです。維持費、修理代、税金面、などなど経済的にダメージの多い車体となってるはずです。
こういうときは手放したほうが明るい未来が訪れるかもしれません。
人生先はまだ長いです。
新しい相棒との出会いはこういうタイミングで生まれるものです。